こんにちは!
ナビゲーターの藍です。
怒ったり、キレたり、ヒステリーを起こしたり…
誰でも一度はしたことがありますが、このような感情の爆発は、時に大きな人間トラブルになりますよね。
あなたは今までに、我を忘れるくらい怒っちゃったことはありますか?
そしてその時に
「もうキレるのはやめよう!」
「今日からイライラしない人間になるんだ!」
と決心したことがありませんか?
でもね、そんな決意も感情の前では非常に無力です…。
次の瞬間から、早速イライラし始める自分。
「あれ?イライラしないはずなのに…」とそんな自分にさらにイライラ…💦
でも実は
イライラしちゃいけない!
怒っちゃいけない!
と思えば思うほど、気持ちに余裕がなくなってくんです。
今回はそんな脳のカラクリを説明するね。
「怒るのはやめよう」と思ったとたん、余計怒りっぽくなる…。
脳の特徴や習性をしらないまま、「怒るのは禁止!」と決めても、ほぼ失敗に終わります!
そのため、今回の記事をご覧になっていただき、どうして怒ることを禁止するのが逆効果になってしまうのか、そして怒りをコントロールするのに必要な方法についてぜひチェックしてみてください。
実は意外な理由が、脳には隠されているんですよ。
もくじ
イライラを理性で抑える方法は逆効果?!我慢が怒りの引き金に…!

怒りって、ストレスがかかった時に反射的に発生する感情ですよね。
反射的に生まれるので、論理的な思考で抑えたり、コントロールしよう!と意識することがとても難しいんです。
そして、この怒りが発生するトリガーがいくつかあるんですね。
その一つが「我慢」
つまり怒らないように我慢すると、それが引き金になって、より大きな怒りを連鎖的に引き起こしちゃうんです…!
皮肉にも「怒っちゃいけない」と我慢すればするほど、抑えつけた分、怒りは増幅。
怒りが増幅したところに、もう一つの怒りのトリガーである「不快な刺激」が加わると、まさに爆弾に着火した状態に!!
これがいわゆる「キレた状態」や「ヒステリー」として出てきます。
この状態は、怒りに我を忘れてしまうので、もはや忍耐で抑えつけるのは不可能に。
怒りすぎてしまうので、何度も人前でキレちゃうと、人間関係もギクシャクしてしまいます。
怒らないように我慢することで、より大きな怒りの発火剤になる…
なんとも皮肉な事実ですが、怒りが発生するメカニズムと怒りを抑えようとするメカニズムを、脳科学の観点からもう少し詳しくご紹介していきましょう。
怒りに関わる社会脳と本能脳の本質を知ること

怒りが発生するもとになるのは大脳。
ここは思考、感情、言語、記憶などをつかさどる部位です。
大脳の構造は大脳皮質、大脳辺縁系、大脳基底核に分けられますが、怒りという感情に関わるのは、大脳皮質の中の大脳新皮質、そして大脳辺縁系です。
大脳新皮質とは別名「社会脳」とも言われますが、人間関係を崩さないように周りの人とうまくやっていくため進化した比較的新しい脳で、思考や知性をつかさどっています。

大脳新皮質の中でも、前頭葉は、論理的思考ができる部位。
この部位で、怒りが生じたときにも理性的に抑えようとします。
つまりこの社会脳(前頭葉)から「怒りたくない!」「怒っちゃダメ!」という指令が出されるんですね。
そして社会脳が過剰に働くと、「~しなければならない」という思いがより強くなります。
こちらの記事で↓「~しなければならない」という思いが強い完璧主義の人は、怒りやすいという説明をしています。

完璧主義の人は理想が高くて、目標達成まで頑張ります。
でもその分、「~しなければならない」という制約が多いので、前頭葉のプレッシャーが強くなります!
つまり日常的に我慢することが多いんですね。
それに対して、感情や欲求をつかさどる大脳辺縁系と言われる本能脳があります。
この本能脳は爬虫類にもある、原始的な部位。
進化の過程から言うと、かなり古い段階から存在していて、生命が生き残るための本能をつかさどっています。
本能脳は
- 好き嫌いという感情が出る偏桃体
- 記憶の管理をする海馬
- やる気に関連する側坐核
などで構成されています
それと同時に、欲求もつかさどっているので、
「〇〇したい!」という気持ちが強く発生します。
怒りは生命を維持するための、大切な本能の一つ。
そのため、本能脳から自然と「怒りたい!」という欲求が出てるんですね。
これは「怒りを抑制する社会脳」とちょうど真逆の働きをします。
「怒りたくない」社会脳と「怒りたい!」本能脳…。

つまりこの社会脳と本能脳の摩擦が、より強いストレスとなって、怒りの強力なトリガーになってしまうのです。
怒りたい!という本能脳←←←怒っちゃダメ!という社会脳
この抑圧によって激しい摩擦が発生、そこにちょっとした不快な刺激(トリガー)が加わると、一気に爆発するのです。
また、欲求を理性で無理に抑えると、摩擦はどんどん大きくなります。
その影響で自律神経がくるってしまったり、体に負担がかかる可能性も出てきます。
脳の構造から見ても、理性で怒りを無理に抑圧する行為は、逆効果であることがわかりますね。
さらに脳には面白い習性があり、その習性が怒りを抑えることをより難しくしています。
実は脳って否定語を理解できない

もう一つ、脳には面白い習性がありますが、それは
「脳は否定語を理解できない。」
ということです。
その時に脳は、「しちゃいけない」という言葉よりも、「怒っちゃ」という怒りという言葉に反応するんだ。
脳の処理速度は早いから、怒りという反応が出ちゃうと、それをもう一度消去するのは難しいから、最終的に怒ってしまうんだよ。
「~しちゃダメ!」「~しない」…といった否定語を、脳は処理するのに時間がかかります。
処理する前に、先に出た「怒る」という言葉に反応しちゃうので、否定語は逆効果になりますね。
それよりも「優しい人になる。」「どんなときでも落ち着いて穏やかに話せるようになろう!」という肯定の言葉のほうが、脳もすんなり実行しやすいのでおすすめ。
ただ、それでも一つ問題が。
怒りはもともとは生命を守るために湧き上がる本能で、ほぼ反射的に出ます。
その反射よりも早く、「優しくなろう。」という思考を浮かべるのは…ちょっと難しいですよね。
確かに日常で肯定的な考えでいれば、だんだんと、怒りやすい性格から穏やかな性格に変わっていけますが、少し時間がかかります。
そのためまずは、反射的な怒りが湧き上がらないように対策をしましょう。
ポイントはふたつ。
- 怒りが生まれるもとになる、自分の欲求に気づくこと
- ストレスを解消する対処法
この二つが有効な対策になります。
怒りの奥にあるあなたの欲求に気づいてあげて!
人間が種の保存のために持っている「食欲」「性欲」「集団欲(集団の中で生きることを求める欲求)」という三大欲求があります。
食欲は種の保存をするために、適切な栄養分を摂取するために必要なもの。
性欲は、子どもを産むために必要な物。
集団欲は、孤独だと種を残すことが不可能であることから、必要なものなんです。
この中の集団欲って、現代で言うと「社会や人に認められたい。」という承認欲求が含まれます。
認められなかったら村八分…孤独にこの世を生き延びることは無理なので、必要な本能なんですね。
だから、
「自分の能力を認めてほしい。」
「自分がこの社会の中で、価値のある人間だと証明したい。」
このように感じることは、ごく自然な感情なのです。
でもね、問題なのは、この承認欲求が満たされなかったとき、
「なんで俺のことを分かってくれないんだ~~!!」
という怒りの感情が、本能脳から生まれちゃうんです。
もしあなたが、
- 日常的にイライラしやすい性格
- 何かの刺激で突然キレてしまう性格
という場合は、まずは自分に「みんなに認めてもらいたい」という承認欲求がないか、意識してみましょう。
実は、あなたの持つその欲求に自分自身で気づいてあげるだけで、本能脳の「分かってよ!」という感情は今までよりも落ち着きます。
もちろんそれでも怒りが湧いてきますが、原因が分かっているだけで、怒りのコントロールが実践しやすくなるってことです。
そして怒りの原因になるストレスを適度に解消して、キレるという行為には緊急対処法を実践しながら、少しずつ怒りっぽい性格から、穏やかな性格へとシフトしていきましょう。
それでは次に、ストレスを適度に解消するコントロール法についてご紹介します。
ストレスを上手に発散して怒りをコントロールする方法

怒りの原因になるストレスを発散すれば、気持ちがリセットされて、必然的にイライラすることが減ります。
ストレス発散方法は、個人によって好みが違うので、自分にとって心地よさが生まれるものを見つけましょう。
カラオケ、スポーツ、読書、映画鑑賞、とにかく寝る…などなど、時間を忘れて没頭できるような趣味が最適です。
ただ、一番のおすすめのストレス発散方法は「体を動かすこと」です。
なぜかというと、人間は動かないでいると、ますます一つの思考が頭の中を支配されます。
でも、運動をして脳の血流を良くすると、気持ちをリセットできるので強力な思考の変更方法になるんですよ。
思いのほか気分がスッキリして、きっと驚くはず。
ただ、運動を日常的に行っていない人にとっては、「運動」と聞くだけでちょっと億劫に感じるかもしれませんね。
そんな方におすすめは以下のふたつ。
- 朝いちばんにラジオ体操をする
- 通勤時にエスカレーターではなく、階段を昇り降りする
どちらでもいいですが、両方とも体力に自信がない方でも、気軽に取り組むことができます。
簡単な運動をする時のポイントとしては、「あ~今自分はストレス解消をしてるな~!」と意識すること。
意識すると、運動=ストレス解消と脳に刷り込まれますので、だんだんと運動することが気持ちよくなってきますよ。
このように、適度にストレスを発散して、怒りにつながりそうなマイナス感情をいったん落ち着かせると、怒りのコントロールもスムーズに進めることができます。
他にも、自分が幸せだと感じる時間を毎日もつ方法もおすすめ。

また、ストレス解消以外に、出てきてしまったマイナス感情の処理の方法を一つご紹介しておきます。
マイナス感情を後回しにする!

もう一つ、怒りのコントロールとして有効なのは、マイナス感情を後回しにする方法です。
他の人に怒ってる時って、「君は間違っているから、なおしてほしい!(自分は正しい!)」という考えが浮かびますよね。
そのマイナス感情に囚われると、怒りの感情が後から後から湧いてきて、やがて大きな怒りに発展してしまいます。
しかしだからと言って、このマイナス感情を現段階で処理するのは無理。
そのため、マイナス感情があるときは、「これについて考えるのは後にしよう。」と後回しにしてしまうのです。
言葉に出して、「今この感情を処理できない。だから考えるのは後回し。」と宣言します。
耳から自分の宣言が入ると、さらに後回しの思考が強化されますので、できるだけ言葉にしてみましょう。
後回し…と一度時間を空けると、どんな感情も、その高ぶりがだんだんと下がってきます。
つまり落ち着いてくるので、以前よりも客観的に眺めることができるように。
そうすると
「あんなに怒ってたけど、実はそれほどのことでもないかも…。」
「怒りをぶつけようと思ったけど、冷静に伝えたほうがよさそう。」
と冷静に分析することができ、マイナス感情の処理がずっと楽にできますよ。
「怒っちゃダメ!」と理性で抑えようとしたり、今ある怒りの感情を何とかしようとしても悪化するだけ。
ですから、「今は何とかしようとしないで、そのまま保留にしておく。」という後回しの方法も有効なコントロール法になります。
脳を上手に味方につけよう!
つまり「怒っちゃいけない!」と本能を押さえつけるのではなく、怒りの原因になるストレスを発散させたり、怒りの感情が治まるのを待っていれば、自然と怒りも収まっていく…ということですね!
その通り!「怒り」は人間の自然な本能だから、それを無理に押さえつけると、脳が耐えきれずに爆発してしまうんだ
そもそも自然な感情を押さえつけるのは、不自然なことだからね。
それよりも怒りの元となるストレスを解消して、脳に少し余裕を作ってから、怒りのコントロールを実践していく方法が、最短で怒りっぽい性格を変えていける。
脳の習性を良く知って、味方につける上手なやり方を実践しようということだね。
怒りは脳から生まれてくるもの…そのため、脳の働きや習性を熟知することで、コントロールが比較的簡単に行えるようになります。
今回の記事で怒りが起こるメカニズムを理解して、怒りのコントロールにつなげていきましょう。
また、キレてしまいそうなときは、以下の記事に書かれているような「怒りの緊急対処法」が最も有効な方法になりますので、ぜひ参考にしてくださいね。

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