こんにちは!
ナビゲーターの藍です。
衝動的に怒ってしまったり、イライラが大爆発!…でも後で冷静になって、激しく後悔することはありませんか?
「なんで怒っちゃったんだろう…」「もっと静かに伝えればよかった…」なんて罪悪感を抱いてしまいますよね。
私もすっごく後悔します!
すっごく後悔して「次からは絶対に怒らないようにしよう!」って思うんです…。
残念だけど、「絶対に怒らないようにしよう!」と思っても、それは無理な話なんだ。
というかむしろ、怒りが無くなったら、生命の危険にもさらされることがあるんだよ。
え!!!💦💦
それってどういうことでしょうか…。
じゃあ今日は、怒りは生き物にとって必要な本能だ…という話を中心に説明していこうか。
もくじ
怒りの感情は生命維持に必要な本能だった
脳には、本能脳と言われる、情動や欲求などをつかさどる部位があります。
本能脳に関する関連記事はこちら↓
この本能脳は、大脳辺縁系というのですが、この中に偏桃体(へんとうたい)という脳の中でももっとも原始的な部位があります。
偏桃体は、恐怖心や不安、喜びや悲しみという感情、快・不快という感覚を発生させるときに働きます。
生物は生命の危機に直面した時、不安や恐怖を感じますが、その不安や恐怖に偏桃体が反応して、交感神経が活性化します。
交感神経が活性化すると、副腎からアドレナリンが分泌されて、体が緊張状態になり、闘争もしくは逃走態勢になります。
そして「全力で戦う」もしくは「全力で逃げる」の判断をしますが、このときに怒りという反応が起こります。
つまり、生命の危険を察知した時、人は「戦う」「逃げる」の選択をするため、怒りは生まれるのです。
だから、怒りは極限状態に追い込まれたときに、自分の命を守るために、思いもよらない力を発揮するために必要な本能なんですね。
怒りは自分を守る防衛反応の一つ、つまり生き抜くための本能だよ。
身の危険を感じた時に、瞬時に闘争もしく逃走態勢に入るために、怒りを感じる仕組みになっているんだ。
もしも怒りが無くなると、身の危険を察知する能力が無くなる。
目の前にある障害物をよけられない、危険予測ができないなど、何が危険かわからなくなってしまう恐れが出てくるんだ。
つまり生命の危機もあるんだよ。
なるほど…怒りは自分の生命を維持するために、必要な本能なんですね!
危険を察知する怒りという本能がないと、自然界では敵に食べられてしまいますもんね。
でも、現代だと、日常生活の中で、命の危険ってほとんどありませんよね??
なのになぜ、怒りが生まれちゃうんでしょうか。
確かに、現代では生命の危機にさらされることはほとんどない。
それなのに、怒っている人はたくさんいるよね。
その秘密を説明していこうか。
過剰なストレスによってコントロールが不能になる
現代社会では、命にかかわるような身の危険はほとんどありません。
しかし人は、社会で生きる上で、常にストレスをためています!
闘争・逃走反応を引き出すアドレナリンは、実は過剰なストレスがかかった時にも、「生命の危機がある」とみなされ、分泌されてしまいます。
例えば、人に自尊心や名誉を傷つけられた時。
そんな時は、過剰なストレスを感じて、アドレナリンが分泌されます。
アドレナリンが分泌されるので、衝動的に怒ってしまうのです。
偏桃体は過剰なストレス(刺激)を受けると暴走しますが、暴走するとアドレナリンがドバドバ分泌。
その状態になると、思考は停止、異常に興奮してキレちゃう…という事態になりますね。
そっか、「馬鹿にされた!」といった、感情的な危機を感じたときに、偏桃体が過剰に反応して、アドレナリンがたくさん分泌されちゃう…。
その状態になると、怒りのコントロールが難しくなっちゃうってことなんですね。
その通り。
自尊心を傷つけられた時に、生命の危機と同じくらいの危機を、脳は感じてしまっているんだよ。
本当はそこまで怒るほどのことでもないのに怒ってしまうのは、偏桃体が過剰に危機を感じて、暴走してしまっているからなんだ。
集団生活で生きている人間は、
「社会的に認められない」
「存在として価値がない」
と認識した時、生命の危機と同じような危険がある!と脳は判断します。
その結果、衝動的に怒る…という反応が起こっちゃうんですね。
問題は怒りそのものではなく暴走してしまうこと
怒りは生命維持のために必要な本能なので、怒るのは当然の反応です。
だから「怒っちゃいけない!!」と思う必要はないのです。
さらに「怒っちゃいけない!」と思うと、余計にイライラします。
(詳しくは以下の関連記事をご覧ください。)
怒りそのものが問題ではなく、「怒りが暴走して、コントロールができない」状態なことが、問題あと覚えてくださいね。
それ分かります!
私も子どもに対して怒っちゃうことがあるんですが、子どもは別に私を攻撃してきてるわけじゃないんです。
だから「そういうことはしないで」って説明すればいいだけなのに、なぜか怒りすぎちゃうんです。
そうなんだよ。
本来なら、「生命の危機じゃない」と分かれば、緊張状態も解けて、気持ちも落ち着いてくるんだけど、偏桃体が暴走してしまうと、緊張状態がずっと続いてしまうんだ。
それでイライラした状態が続いたり、キレて爆発する…という状態になってしまうんだよ。
情報過多の現代社会においては、過剰なストレスがたまりがち。
生命の危機ではないのに、偏桃体が暴走すると、ずっと緊張状態が続くので、そのストレスに耐えかねて、怒りも暴走します。
この偏桃体の暴走を止めるためにはどうしたらよいのでしょうか?
偏桃体の過剰な暴走を止めるテクニック
偏桃体が過剰に暴走すると、怒りが暴走、自分も疲れてしまいます。
ちょっとムカつくことを言われた…
相手が自分の思い通りに動いてくれなかった
こんな時には、衝動的にに反応するのではなく、できればサラッとスルーしたいところ。
そのテクニックを一つご紹介します。
マインドフルネスのRAINで怒りの衝動をスルーする!
瞑想で世界的に有名なマインドフルネスの中に、「RAIN」というテクニックがあります。
RはRecognizeといって、認識することを意味します。
AはAcceptで、受け入れたり受容するという意味です。
IはInvestigateは調査とか研究という意味。
NはNon-identificationは同一ではない、つまり距離を置くとか、非同一といった意味です。
この順番に、衝動的な怒りをコントロールしていきます。
ステップ①認識する
まずは怒りの衝動が出てきたときに、「今怒ってる!」と認識します。
ムカッとする気持ちに気づいて
「今自分は怒っているんだな~」
と頭の中でつぶやく。
ステップ②受容する
次に「怒ってる自分」を「怒っちゃいけない!」などと非難せず、そのまま受け入れます。
「自分は今怒ってるんだよね。そっか、分かった。」
と頭の中でつぶやく。
ステップ③研究・検証する
次に、怒っている自分の体の変化や感覚をチェックします。
例えば
頭に血が上って熱く感じる感覚
肩に力が入って、ぶるぶる震える感覚
こぶしを硬く握りしめる感覚
体でどんな変化が起こっているのか、チェックする。
体で感じる感覚を、頭の中で呟いてもいい。
「あ、胸がぎゅっと痛い。」
「眉間に力が入ってる」
このように頭の中で実況中継をするように、つぶやいてみてください。
ステップ④怒りと自分を切り離す
最後に、そんな衝動的な怒りと、自分を切り離して考えます。
「怒りが湧き上がってるけど、自分は怒りそのものではないからな…」
とつぶやく。
このステップ④までくると、だいぶ気持ちが落ち着いて、怒りの感情を客観視できるようになっています。
このRAINを繰り返すと、徐々に衝動的な感情に流されない精神力が身についていきます。
怒り以外の衝動的な感情、例えば「○○したい!」という欲求にも、このRAINは有効なので、ぜひ実践してみてください。
怒りの衝動に惑わされないように
怒りという衝動に身を任せてしまうと、偏桃体の暴走は一向に収まらず、アドレナリンが過剰に分泌され続けてしまいます。
しかし、アドレナリンは過剰に分泌されすぎると、今度は枯渇し、無気力状態に陥る危険性が。
エネルギー切れを起こして、全くやる気が起きない状態になってしまうんですね。
この状態は、怒ってるよりもさらに危険です…!
そのため、怒りをコントロールすることが、とても大切なのです。
怒り自体が悪いものではないので、無理なく付き合えるように、上手にコントロールしていきましょう。
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