こんにちは!
ナビゲーターの藍です!
「なんでいつもちょっとしたことでキレちゃうんだろう…」
「恋人に振られちゃった…あんな風に怒らなきゃよかった。」
あなたはそんな風に、キレた後で言いようもない罪悪感や後悔の気持ちを抱いたことはありませんか?
あります、あります!
というか怒ってしまった時は、毎回罪悪感にさいなまれます…。
確かにアドラーの言う「人は達成したい目的があって、怒る」というのはわかるんです。
でも、例えば「子どもを自分の思い通りにしたいから、怒る」という目的が合ったと気づいても、怒りって瞬時に湧き上がっちゃうので、気づくと怒っちゃってるんです。
それで後で「ああ、怒りたくないのに怒っちゃった…」って繰り返してしまう…。
うんうん、それが普通だよ。
「怒る必要はもうないから、今日から怒るのや~めた!」ってできる人は、ほとんどいないよ。
なぜかというと、怒りの感情には人の無意識が関係しているからね。
だから、怒りのコントロールができるようになるのも、少しずつになるんだよ。
でも、アドラー心理学の理論で言うと「自覚できる意識と、自覚できない無意識なんてものはない」ってことに行きつきますよね。
つまり意識分けたりできず、一つだと。
それはアドラー心理学の場合だね。
でも精神科医であり、心理学者であるフロイトは、「無意識はある」と唱えているよ。
どちらが正しい…というわけではなく、人間の心理はそれだけ複雑だってことだね。
自分にとって、よりしっくりする論理を参考にしたらいいんだよ。
じゃあ今日は、フロイトの視点から、「怒りたくないのに、なぜつい怒ってしまうのか」について説明するよ。
本当は怒りたくないのに、怒ってしまう…。
そして激しい罪悪感が生まれる…。
このような行為を繰り返すと、ストレスもたまり、非常に苦しい精神状態が続きますよね。
なぜ怒り⇒罪悪感⇒怒り…という負のループが起き続けるのか、その謎を知らないままですと、いつまでたっても辛い状態から抜け出せなくなります。
今回は、「分かっちゃいるのに、止められない…」なぜそのような現象が起こるのか、フロイトの「無意識」の論理から、ご紹介していきますので、罪悪感の大きいあなたは、ぜひ読んでみてくださいね。
もくじ
潜在意識はネガティヴ感情であふれてる?!
心理学者のフロイトは、人間の意識には「自覚できる意識」と「自覚できない無意識」があると唱えました。
以下の図は、フロイトの無意識の説明を分かりやすくしたものです。
赤い線を境に上側が「意識層」、そして下側が「無意識層」です。
その通り!
自覚できない無意識層は、人間の全意識の中で、90%以上を占めている…と言われているんだ。
この無意識は「潜在意識」とも言われているよ。
意識は「認知できる範囲」だから、つまり自分でコントロールできる意識のこと。
反対に無意識(潜在意識)は、「自分で認知できない範囲」つまり、自分で気づかない意識だから、ほぼコントロールできないんだ。
え?え?じゃあちょっと待ってください!
そうしたら、人は「全意識の中の90%は、自分でコントロールできない。」ってことですよね??
極論を言えば、そうなるよね。
この無意識層は、記憶の宝庫で、生まれてから今までの記憶をすべて保管している。
問題は、この無意識層に、たくさんの負の感情が貯まっていることだよ。
そうだよ。
子どもの時って、親から「~しちゃダメ!」「~しなきゃダメ!」と言われて育てられなかったかい?
本来子どもって、「恐れ」とか「不安」といった概念が一切ないから、危険なものにも手を出しちゃうし、将来を不安に思うこともない。
子どもはそれだけ自由な発想を持っていて、好奇心旺盛な存在ってことなんだけど、親にとってはそんな子供だと困ってしまうんだ。
ケガをしないか心配だし、しつけがなってないと思われたくないし、いつも子どもに合わせて生活はできない。
だから親は子供がしていることを「しちゃダメでしょ!」と制限して、嫌がる子どもに「しなきゃダメでしょ!」と親の価値観を押し付ける。
そんな風に育てられるから、子どもはだんだんと「本当はしたいけど、お母さんに怒られるからできない。」「お母さんに怒られるようなことばっかりする自分は、すごくダメな奴だ。」というマイナス感情を抱いていくんだよ。
で…でもでも、「~しちゃだめ!」「~しなきゃダメでしょ!」って言うのは、親が子どもに教えてあげないと、社会に出たときにその子が困っちゃいますよね…。
だからどんな母親、父親でもしていることだと思います…。
そうそう、今の社会のシステムがそうなってるから、そうだよね。
そういったしつけを行うパパさん、ママさんが悪いって言ってるわけではないんだ。
ただ単に、本能的に動く子どもと、社会でのルールや生き方が、相性が悪いってことなんだよ。
親はそれを心配して、しつけようとする。
その結果、子どもは無意識層に「本当はしたいのに、できない」「社会のルールに従えない自分はダメな奴だ」という負の感情や記憶を押し込んで、どんどん貯めてしまう…ってことなんだ。
えっと、そもそもなぜ負の感情は、無意識層に貯まっちゃうんでしょうか?
意識層にあれば、コントロールできるのに…。
10歳前後で無意識層の蓋が閉まる?!
いい質問だね!
実は子どものうちは、まだ「意識」と「無意識」が分かれていない状態なんだ。
小さいうちは、理性である意識がまだ育っていなくて、プラスの感情もマイナスの感情も、全部ごちゃまぜになってる。
子どもって、例えば「ママが何度も『お風呂に入って!』って言ってるのに嫌がってなかなか入らない」ってことがあるよね?
それは「お風呂に入りたくなくても、体が汚れてるから、お風呂に入らなきゃいけない」という意識(理性)がまだ育っていないから、子ども自身も「お風呂に入ったほうがいいって分かってても、治せない」んだよ。
その通り!
大体10歳ごろになると、無意識層と意識層で分かれてくると言われているよ。
イメージとしては、無意識層に蓋をされる…という感じかな。
先ほどの図で言うと、ちょうど赤い線が蓋の役割をしているんだ。
そしてこの意識層と無意識層の間に蓋ができると、無意識層が一切認知できなくなる範囲になるから、無意識層にたまったマイナス感情やマイナスイメージの記憶を、書き換えることがとても難しくなってしまうんだ。
そっか~!!
無意識層に貯まった負の感情がもとで、自然と「怒り」が湧き上がってきちゃう。
だから、「怒りたくない!」って理性が思っているのに、止めることができないんですね!!
潜在意識の圧倒的パワーで怒りがコントロール不能に!
冒頭で意識は全意識の中の5~10%ほど、対して無意識(潜在意識)は90~95%ほど…とお伝えしました。
つまり、無意識のパワーのほうが圧倒的に強いということです。
↑こちらの図のように、もし意識で「Yes!!」と思っていても、無意識が「NO!!」と思っていたら、「Yes」を選ぶことに、大きなストレスを抱えることになります。
例えば、会社の同僚に愚痴を延々と聞かされて、うんざりしている時。
意識層と無意識層では思っていることが違います。
★意識層★
「あ~さっきからこの人、愚痴ばっかり!時間の無駄だし早く帰りたい…。でも、会社で同じ仕事をしてるから、嫌な顔をしたり、話を聞かないとかできないんだよね~。そんなことしたら、後々面倒なことになるしさ。早く終わらないかな~」
★無意識層★
「ダメ!ムリ!もうこいつの話は聞きたくない!即効帰る!」
でも、社会で生きる人間は、大抵の場合、理性の声(意識層)を優先。
なぜなら、なんでも自分の「好き」「嫌い」で決めてしまうと、人間関係がこじれるから。
このように普段は、90%以上の無意識層を、10%未満の意識層が、全力で押し付けている状態なのでストレスが溜まりまくるんです。
あ…あの~~~
それって非常にまずい状態な気がします…。
そうなんだよ…。無理やり押し付けている状態(我慢している状態)だから、普通に生活しているだけで、かなりのストレスを抱えることになるんだ。
大半の人はそのことに気づいてないけどね。
その我慢(ストレス)が何かちょっとしたことがきっかけで、爆発してしまうことがあるんだ。
それが「怒り」として爆発する人が多いよね。
怒らない人でも、自律神経のバランスが狂ったり、精神的なトラブルを抱えてしまうことがある。
そのくらい、無意識層のパワーは強くて、コントロールが難しいものなんだよ。
それがね、実は逆なんだよ。
罪悪感で自分を責めてしまうと、無意識のパワーはさらに大きくなってしまう可能性があるんだ。
罪悪感はさらなる怒りを呼ぶ??
怒ったことに罪悪感をもったり、自分の行いを後悔する…ということは、一歩間違えると「自己否定」につながります。
「怒るのは相手を傷つけるし、あまりよくないな。次からは怒らずに、正直な気持ちを伝えよう。」
このように自分の行動のみを反省して、次の行動を前向きなことに変えられたら問題ありません。
しかし
「なんでいつも自分は怒ってしまうんだろう…。本当にダメな人間だ…。」
と強く自己否定をしてしまうと、マイナス感情でパンパンの無意識層はそれ以上に強く反応します。
ちょうど以下の図のような状態です。
理性と潜在意識の間の激しい葛藤が、さらなるストレスと怒りを呼びます。
そして自己否定を常に行っていると、常に葛藤を抱えることになるので、ストレスがどんどんたまっていってしまうのです。
ストレスがたまると…そう、さらなる怒りを呼んでしまうんですね。
これが「怒り⇒罪悪感⇒怒り」…という負のループを引き起こすのです。
でも、「怒っても罪悪感を持つな」「後悔はしなくていい」って言ってるわけではないんだ。
本来、自分の行いに罪悪感を持つとか、後悔をするって行為は、「メタ認知能力が高い」人じゃないとできないことだよ。
だからその高いメタ認知能力を、違う使い方をしていけばいいんだ。
※メタ認知とは、自分の思考や行動、感情を客観的にとらえ、制御していく能力のことです。
メタ認知!
アドラーの記事でも説明してましたね!
怒りの感情をもとにメタ認知を高める3ステップ
通常、大人になった時には、意識と無意識の間に蓋ができているので、一度しまい込まれた記憶(思い込み)を変えていくことは、とても難しいです。
しかし、怒りや孤独感など、ネガティブな感情が湧き上がってくるということは、潜在意識が何かを伝えたがっている…ということなのです。
それは、あなたが蓋をして忘れてしまった、悲しい思い出かもしれません。
その思い出自体を思い出すことが大切なのではなく、当時消化しきれずに潜在意識の奥深くに押し込めてしまったマイナス感情に気づいてあげることが大切なのです。
気づいてあげることができたら、コントロールも可能になります。
その方法は3ステップ。
①まずは湧き上がる怒りを緊急対処法でスルーする
湧き上がる怒りに気をとられていると、いつまでたっても、潜在意識がどんな思いを抱えているのかに、気づくことができません。
そのため、まずは湧き上がる怒りを昇華する、以下で紹介している怒りの緊急対処法のワークを行ってください。
湧き上がる怒りをスルーできれば、「今、自分はなぜ怒っているのか?」に気づく余裕ができます。
②自分の怒りのパターンを見つける
人はキレるときは、何らかのパターンがあります。
例えば、いたずらした子供を激しく怒ってしまったママがいるとします。
- ママは、日頃からパパにないがしろにされている気がしていた
- パパにないがしろにされる自分を、惨めに感じる
- 惨めに感じることで、潜在意識のマイナス感情が激しく反応して葛藤が生じる
- 葛藤を感じてイライラする
- 子どもに何回も言って聞かせても、言うことをきいてくれない
- 子どもに言うことをきいてもらえない自分を、惨めに感じる
- 子供を激しく怒ってしまう
この場合、ママは「自分を惨めに感じていた」この感情があって、最終的に子どもの行動がきっかけにで怒りを爆発させています。
つまり、ママは「自分は惨めな存在だ」と思うような出来事に遭遇すると、怒りを爆発させてしまうんですね。
これが怒るときのパターンです。
このパターンは人によって違いますが、例えば
- 理不尽な扱いを受けた、と感じたとき
- ダメな奴だ、と言われている気がしたとき
- バカにされた、と感じたとき
このように、「自分の尊厳を傷つけられた」というパターンで、キレる方が多いです。
怒りの緊急対処法で、爆発寸前の怒りを解消したあと、少し落ち着いた時に、「自分はどんなパターンで怒るのか?」ということに目を向けてください。
怒ったことに目を向けるのではなく、自分の心に目を向けるのです。
もしかしたら、あなたは、無意識層にたまったマイナス感情の影響で、四六時中、自分で自分を責め続けているかもしれません。
そんな自分の気持ちに気づくきっかけににもなります。
この「怒りのパターン」は、大抵は無意識層の感情がもとになっているので、「どんなパターンで怒るのか?」に目を向けることで、無意識層にもアプローチできるのです。
③怒りの感情とコミュニケーションをとる
自分の怒りの感情を人格化し、コミュニケーションをとります。
※怒りの感情を人格化する方法は、以下の関連記事の「自分と怒りを切り離す4ステップ」をご参照ください。
「あなたはなぜそんなに怒っているの?」と、自分の心とコミュニケーションを取ることで、さらに自分がどんな気持ちを抱いているのか…どんな気持ちを抑圧してきたのか、潜在意識にアプローチすることができます。
この3ステップはメタ認知能力を高める方法の一つです。
しかも罪悪感とは違い、自己否定を強めることはありません。
ぜひ怒りの感情が湧き上がるごとに、実践してみてください。
自分の心に目を向けると、自然と癒される
自分が過去に抱いた思い・記憶・自分の一部を、無意識層に閉じ込めて、抑圧することで、「自分の本当の気持ち」に気づきにくくなります。
でも本当は、無意識層にたまった感情に気づきたい、何とかしたいと思っているのです。
それが怒りや悲しみの感情として現れます。
その感情に罪悪感を持つのではなく、「なぜこの感情が生まれてくるのか」「自分はどんな気持ちを押さえつけてるのか」と自分の心に目を向けてあげてください。
あなたが、自分がどんな感情を抱いているのか、どんな気持ちなのかに目を向けると、それだけで満足感が感じられ、傷ついた気持ち、マイナスの感情も、少しずつ癒されていくのです。
あなたは本当は傷ついているのかもしれないし、寂しいのかもしれない。
それが怒りという感情で出てきているだけかもしれません、
そうだとしたら、まずは自分で「ああ、自分はこんなに傷ついていたんだ」「私はさみしかったのね」とその気持ちを受容してあげましょう。
それが何よりの癒しになるのです。
メルマガに登録いただく事で
こころらぼの最新情報やメルマガでしか
お伝えしていないコンテンツを配信します。
ぜひ、ご登録ください^^